投資するなら知っておきたい!不動産所得とキャッシュフローの違いは?
不動産投資は、家賃収入を得られる投資方法です。新築や中古マンションなどのオーナーとなり運営します。入居状況が良好であれば安定した収入になるため、投資家の中では一般的な投資方法といえるでしょう。そこで、本記事では投資する際に知っておきたい不動産所得とキャッシュフローの違いについて解説します。
キャッシュフローとは
キャッシュフローは、お金の流れを表した言葉です。一般的には企業などで使われており、お金がいくら入り、どれだけ出てしまったかを分かりやすくします。キャッシュフロー計算書といった言葉を聞いたこともあるでしょう。
ちなみに入るお金はキャッシュインフロー、出るお金はキャッシュアウトフローです。キャッシュフローは、会計期間を区切って作成されます。企業活動において売掛金や買掛金といった言葉もありますが、この2つとは全く異なります。
売掛金はいずれ回収できる売った物に対する代金、買掛金は仕入時の未払い分の代金、そしてキャッシュフローは今どれだけの現金を持っているのかを把握できます。ただし、キャッシュフローは作成義務がありません。作成義務があるのは上場企業のみで、中小企業や個人事業主は作成しなくても大丈夫です。
また、キャッシュフローは大きく分けて3つに分類されます。企業の営業関係、設備投資や資金運用関係、そして財務関係です。キャッシュフローは、さまざまな分野で正常なお金の流れを掴むために利用されています。
キャッシュフローの重要性
キャッシュフローは、お金の流れを表しているため、企業にとってとても重要です。万が一、現金がないと判明した場合は、顧客との取引ができないかもしれませんし、従業員への給与支払いも難しくなります。キャッシュフローは、単純にお金があるかないかだけでなく、企業の状態を表す重要な資料です。ただし、不動産投資の世界で使われるキャッシュフローは、少し違った意味で使われています。
不動産投資のキャッシュフローとは
不動産投資のキャッシュフローとは、お金の流れではなく運営上の利益を表します。不動産投資の場合は、収入が家賃収入、支出が不動産ローン(利息も含む)の返済や管理運営費といった運営にかかる費用です。たとえば、3,000万円のマンションを購入し、年間の家賃収入が100万円、不動産ローン(利息も含む)と管理及び運営費の合計が50万円だった場合は、50万円の利益と計算されます。
このように企業と不動産投資では、キャッシュフローの使い方が異なります。しかし、企業と不動産投資のどちらもマイナスになれば、運営が立ち行かなくなる点は同じです。不動産投資は、入居者からの家賃収入があれば安定的に運営できるとは限りません。安定的に運営するためには、収支のバランスが大切です。
不動産所得とは
不動産所得とは、不動産を運営する上での利益を表した言葉です。マンション購入後、収入と経費を計算してどれくらいの利益がでたのかが分かります。一般的な所得の計算方法は「収入-経費」です。
一方、不動産所得を計算するときは、家賃収入から、管理運営費、不動産ローンの利息、減価償却費などを足した金額を引いて算出します。ここで重要なのは、不動産ローンの利息部分です。借りたお金(不動産ローン)ではなく、不動産ローンの利息を経費として扱います。
適用範囲
土地や建築物はもちろんですが、船舶や航空機の貸付けにも適用されます。マンションの場合は、ファミリー向けとワンルームのどちらも不動産所得扱いです。さまざまなところで貸し出しする駐車場も不動産所得になります。
申告時期
不動産所得の申告は、毎年行われる確定申告で行います。近年は特例で延長することもありましたが、基本的には2月16日から3月15日までに自分で申告しなければいけません。ちなみに、還付を受けるときは1月1日からの申請になるので覚えておきましょう。
万が一、確定申告を忘れて期限を過ぎた場合は、期間後申告となります。期間後申告は、本来の税額を払えばいいというわけにはいきません。税金が50万円までの場合は15%、50万円超は20%の無申告加算税が課されます。
事業所得とは違う
事業所得と不動産所得は、明確な違いがあります。まず、双方で大きく違うのは物件規模です。事業所得として認められる規模は、マンションやアパートが10室以上、戸建ては5棟以上です。ただし、所有している不動産の特徴によっては、この限りではありません。一部部屋の大きさや不動産の組み合わせで事業所得として認められます。
不動産所得とキャッシュフローの違いとは
不動産所得とキャッシュフローは、どちらも同じ科目を計上できるわけではありません。一般的に不動産の経営では、不動産ローン、不動産ローン金利、管理費、修繕の積立、固定資産税、減価償却費を不動産所得の経費やキャッシュフローの支出として計上します。そこで不動産所得とキャッシュフローで計上できる科目を見比べてみましょう。
不動産所得
不動産所得の場合は、管理運営費、修繕の積立、固定資産税、減価償却費、不動産ローンの利息を経費として計上できます。キャッシュフローの支出に計上できる不動産ローンは計上不可です。計算方法は前述の通り、「収入-経費」で計算します。そして所得税が課税されるのは、キャッシュフローではなくこちらの不動産所得です。
キャッシュフロー
キャッシュフローでは、管理運営費、修繕の積立、固定資産税、不動産ローンの利息、不動産ローンが支出として計上できます。不動産所得との大きな違いは、不動産ローンの有無です。不動産ローンは、不動産所得で計上できませんが、こちらは計上できます。ただし、気をつけたいのが、不動産ローンが不動産所得の減価償却費を上回らないことです。
もし、減価償却費より不動産ローンの金額が大きくなると、「デッドクロス」と呼ばれる現象が発生します。簡単に説明すると、会計上は利益を生んでいても実際の現金はもっと少なくなるということです。最悪の場合は、不動産運営が赤字になります。不動産運営を行う際は、会計上の数字よりも実際の現金を表したキャッシュフローが重要な役割を担っています。もし、会計上の利益をそのまま確保したい場合には、不動産所得の減価償却費とキャッシュフローの不動産ローン金額を調整して同額にするなどの調整をしましょう。
デッドクロスの原因
デッドクロスになるには、いくつかの原因が考えられます。まずは、土地の価格です。マンション購入するときは、土地の価格も購入金額に含まれていればデッドクロスの原因になります。また、不動産ローンの期間がマンションなどの耐久年数よりも長い場合、もしくは異常なほど耐久年数が不動産ローンの期間によりも短い場合は、デッドクロスになる可能性が高くなるでしょう。
このような現象を起こさないためには、前述した減価償却費とキャッシュフローの同額もしくは同額以下への調整、金融機関から借りるお金を建物分のみにする、さらには不動産ローンの期間を建物の耐久年数以内に収めることです。
今回は不動産所得とキャッシュフローの違いについて詳しくまとめました。不動産所得とはマンションなどの不動産を運営した際に発生する利益であり、キャッシュフローとはお金の流れを表しています。どちらもお金に関する言葉ですが、意味や使い方は違うため、投資する際は、必ず理解しておきましょう。家賃収入とお金の流れを把握しないと、せっかく運用しても赤字になるので要注意です。不動産所得とキャッシュフローという大切な言葉をしっかり覚えてから投資に向けて準備を進めていきましょう。
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